第1回(令和2年度)受賞者

株式会社リーバー

大賞

受賞した製品・サービス 医療相談アプリ LEBER(リーバー)

株式会社リーバー 代表取締役  伊藤 俊一郎 

受賞者の紹介

株式会社リーバーは、24時間・365日スマホで医師に相談できる「ドクターシェアリングプラットホーム」の機能と、健康観察ができる機能を持った医療相談アプリLEBER(リーバー)を開発し、運営しています。
個人の方はもちろん、法人・団体・教育施設等でのご利用も可能です。

医療相談アプリLEBER(リーバー)の特徴

  • チャットボットで症状を入力していただきます。
  • 選択式チャットのため、文章を打たず簡単に入力することができます。
  • 日本最大級の医師ネットワーク(現在400名以上)により、迅速に医師が回答できる体制を整えております。最短3分で医師からの回答が届きます。
  • 医師からの回答にはおすすめの市販薬、おすすめの診療科および近くの医療機関もお伝えします。
  • 法人・団体・教育施設等では、児童生徒・社員の健康観察に活用できます。入力された体温・体調は、自動集計されます。

受賞後の実績や変化について

いばらきイノベーションアワード受賞後に、学校での利用が増加しました。受賞直後は全国で100校程度でしたが、現在は1,200校を超える学校で使用していただいています。
また、内閣府のスーパーシティ構想の取組に参画することができました。
2023年4月、経済産業省の「行政との連携実績のあるスタートアップ100選 医療・福祉分野」に掲載されました。
また2023年7月には、文部科学省から全国の教育委員会に送られた通知の中でもLEBER(リーバー)が紹介されております。

本事業に応募いただいたきっかけ

茨城県とつくば市から案内されて知りました。茨城県に貢献できるのであれば積極的に参加したいとの思いから、応募しました。

ユーザーの皆様からの反響について

学校でLEBER(リーバー)を使っていただいている教員の方々からは、コロナ禍で増大していた健康観察・欠席連絡の業務負担が大幅に軽減されたとの声をいただいています。実際に他県の実証事業で1日に2時間程度の業務時間削減につながっていることが分かりました。
最近では、学校における児童生徒のメンタルの変化の把握に役立っています。毎朝保護者の方に児童生徒の気分を入力していただくことにより、経験の少ない若手教員が児童生徒の小さな変化に気づくことにつながっています。

また、保健所の業務ひっ迫も抑えられたとの反響もいただいています。コロナ罹患者様の電話相談において、医学的知識をもとに回答できるLEBER(リーバー)は保健所の業務負担軽減と相談者の不安の軽減に対して有効な手段となったと考えています。

さらに、つくば市内0~6歳の子供がいる家庭に医療相談サービスを使用してもらったところ、LEBER(リーバー)アプリ利用者のうち夜間救急外来・救急車等を使わずに済んだと回答したご家庭が33.7%いらっしゃいました。気軽に相談ができることにより、真に必要な人への医療の提供につながると考えています。

開発エピソード、製品・サービスへの思いをお聞かせください

医療現場で医師として働いているときに感じた危機感が、LEBER(リーバー)アプリ開発の源流になっています。
病院の待合室は昼夜問わず混雑していますが、実際医師として診察してみると9割から9.5割の方が病院に来る必要のなさそうな症状でした。待合室の混雑は、感染症の蔓延によって来院自体が感染リスクにつながる状況を作り出します。通院が必要な患者さんが医療機関に来られなくなってしまうのを避けるためにも、病院の混雑を解消する必要性を強く感じていました。同時に、患者さん自身が選べる医療サービスの選択肢を増やしたいという思いもありました。
また、心臓外科医として医療従事していた際、激務の上拘束時間が長く休息が取れず、心を病んでしまう医師が周囲に何人かいました。現場の医師の業務負担軽減に貢献することも当アプリ開発の大きな目的です。

体の不調や変化に気づくのは突然です。普段病院に行くほどではない違和感でも、LEBER(リーバー)でお気軽に相談ができます。
医療時間外、医療過疎地域でも使うことができます。
医師へ相談するハードルを下げて、おかしいなと思ったら、ご自身やご家族の健康を守るために是非LEBER(リーバー)を活用していただきたいです。

株式会社アークメディスン

優秀賞

 受賞した製品・サービス 創薬合成技術HiSAP®による新薬候補化合物の提供

受賞者の紹介

世界で特許取得した独自の特殊合成原料を強みとする創薬合成技術「HiSAP®(ハイサップ)」を用いて、医療ニーズの高い疾患に対する新薬候補化合物の創出(研究開発およびその導出)を行っています。

薬効が弱い、副作用が強い、体内動態が悪いなど、薬剤として課題のある化合物をHiSAP®で素早く改良し、新規の医薬候補品に生まれ変わらせることができます。

自社プロジェクトだけでなく、製薬企業と共同で新薬候補化合物を創出するプロジェクト、バイオベンチャーやアカデミアと共同で新薬候補化合物を創出し製薬企業へのライセンスを目指すプロジェクトも行っています。

受賞後の実績や変化について

製薬企業へのライセンス契約2件、製薬企業との共同プロジェクト1件、MTA契約4件、新薬候補化合物の特許出願7件、自社創薬プロジェクトは常時10件以上推進と順調に進んでいます。また、2022年12月には、14億円の資金調達(シリーズB)を実施しました。

本事業に応募いただいたきっかけ

茨城県および株式会社つくば研究支援センター(TCI)の方からの紹介で、弊社の新薬候補化合物や研究開発カをアピールするために応募しました。

ユーザーの皆様からの反響について

圧倒的な速さで、しかも少人数で、数種類の新薬候補化合物を創出し、そのうちの2つを製薬企業ヘライセンスを果たしたことは、よく驚かれます。

開発エピソード、製品・サービスへの思いをお聞かせください

HiSAP®による創薬合成を常に高品質で実施するため、HiSAP®の属人的な部分をできるだけ減らしたいと考え、優秀賞をいただいた創薬合成技術 HiSAP®について、システム化できる部分はすべてシステム化することに取り組んできました。計画通りシステム化が完了し、実際の創薬プロジェクトヘの活用も始まっています。これにより、約3年の間に、導出可能な新薬候補品が3個から7個へ拡充でき、そのうち2個を製薬企業にライセンスすることができました。今後、新薬候補化合物の創出をさらに加速させ、「新薬で世界の人々を健康に」という弊社のミッションを果たしていきます。

株式会社ロックガレッジ

優秀賞

 受賞した製品・サービス ハリスホーク現在の製品名は3rd-EYE

株式会社ロックガレッジ 代表取締役 岩倉 大輔 

受賞者の紹介

株式会社ロックガレッジは自律移動型ロボットの設計製造、システム開発及びその自動制御技術を中心とした開発を行うベンチャー企業です。
 特殊な構成を持ち、通常の制御技術では対応できないドローンの制御技術開発や、ドローンと外部機器を組み合わせて目的の機能を実現させるようなシステムインテグレーションに数多くの実績があります。

 また、弊社は独自の取組としてスマートグラス×AI×ドローンを使った救助支援システム「3rd-EYE」を提供しています。
3rd-EYEは被災状況の調査や助けを求めている人を自動的に捜索するスマートグラスシステムです。
このシステムを使うことで災害現場の最前線にいる隊員の眼前映像やその位置情報を指揮本部と共有したり、ドローンの映像をAIによりリアルタイムに解析し、検知した要救助者の位置や映像を共有することが可能になります。
3rd-EYEを活用することにより正確で具体的な意思疎通が可能となり、救助活動を効率化することができます。

受賞後の実績や変化について

いばらきイノベーションアワード受賞の翌年に、茨城県のDXイノベーション推進プロジェクトに参加しました。
受賞時には「ハリスホーク」という製品名で、ドローンを使った災害救助活動にのみに特化した製品でしたが、同プロジェクトの改良を経て、現在はドローンとスマートグラスを組み合わせた「3rd-EYE」にバージョンアップしました。
その結果、街中などのドローンが使えない現場でも画像と位置情報を使って災害救助活動ができるサービスに進化しました。

本事業に応募いただいたきっかけ

茨城県内で先端技術を活用したサービスを提供するベンチャー企業というと、つくば市のイメージが強いと思いますが、ロックガレッジが拠点を置く古河市など、つくば市以外でも活動しているベンチャー企業があるのだということを知ってもらえればと思い、応募しました。

ユーザーの皆様からの反響について

実際に「3rd-EYE」を使ってもらっている消防本部から、指令室にいる指揮官に現場の隊員の位置と映像がリアルタイムで伝わるのが画期的であるとの意見をもらっています。こちらが想定した使い方ではなく、実用的なツールとして現場で新たな活用方法を編み出し、使ってもらっているのが嬉しいです。

開発エピソード、製品・サービスへの思いをお聞かせください

研究者としてドローンの飛行制御の研究を行っていた2011年、東日本大震災から2か月後の被災地を訪ね、当時研究開発中であったドローンによる被災地調査を行いました。その際目の当たりにした現地の惨状に衝撃を受け、災害時などの困難な状況で人々に必要とされるものづくりを行いたいと思うようになりました。その後、ドローンスタートアップを経て、2018年に(株)ロックガレッジを設立。これまで培ったドローン開発の技術と経験を活かし、研究者時代に目指していた困難に直面している人々に対して手を差し伸べられる技術の開発に取り組んでいます。

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