○第3回(令和 4 年度)いばらきイノベーションアワード受賞製品・サービス

<大賞>

○製品・サービス名:室温付近からの環境熱において温度差なしで永続的に発電する環境熱発電デバイス
○企業・個人名:株式会社GCE インスティチュート
○概要:
温度差なしで永続的に発電する環境熱発電デバイス。金属ナノ粒子分散固体膜を仕事関数の異なる2つの平板電極で挟んだ構成。大面積化や積層化により画期的、実用的な熱電デバイスを提供。
○総評:
・電力問題を解決する技術、非常に期待したい。
・画期的な技術であり、地球温暖化など環境問題に貢献する技術。社会的インパクトも大きいと思う。

<優秀賞>

○製品・サービス名:SRV™ iPSC Vector
○企業・個人名:ときわバイオ株式会社
○概要:
線維芽細胞や末梢血細胞からiPS 細胞を高効率で作製できる研究用試薬。
ステルス型RNA ベクター(SRV)にiPS 細胞作製に必要な複数の遺伝子を搭載し、遺伝子発現レベルを最適化。
○総評:
・非常に汎用性の高い技術。いち早く検証をすることで社会普及に繋がると思う。一方で、医療での社会実装化はレギュレーション(規制)が厳しいところがある。
・人工RNA ベクターを使うという注目の技術で、破壊的イノベーションがある。


○製品・サービス名:グラフェン/カーボンナノチューブ複合材料(Gmit®)
○企業・個人名:株式会社マテリアルイノベーションつくば
○概要:
本複合材料を電極として用いた新規蓄電デバイスは、リチウムイオン電池と比べると、急速充電かつ長寿命を有する。
○総評:
・自社のマテリアル技術が社会課題解決するところが非常に興味深い



○製品・サービス名:Web サービス「 Multi-Sigma® 」
○企業・個人名:株式会社エイゾス
○概要:
複数のAI 手法を組合せ、必要最小限の実験データから、複数の目的を同時に満たす条件をAI が自動的に探索するウェブアプリ。
○総評:
・様々な分野での活用が期待でき、汎用性が高い。

○第2回(令和 3 年度)いばらきイノベーションアワード受賞製品・サービス

<大賞>

○製品・サービス名:農業用クローラーロボット「メカロン」 
○企業・個人名:株式会社Doog
○概要:
農業現場をターゲットにした運搬ロボット。
自動追従機能やメモリトレース(走行させたいルートを一度走らせるだけでロボットが経路を記憶して自動走行できる機能)を搭載。
○総評:
・全国でも有数の農業県である茨城らしい技術であり、親しみやすい技術でもある。
・農業従事者の高齢化や人手不足の課題に貢献できる製品であり、革新的な技術であるにも関わらず直感的に使うことができる点が評価できる。

<優秀賞>

○製品・サービス名:メタロ超分子ポリマー「Poly(Fe-btpyb) Purple」 
○企業・個人名:樋口昌芳
○概要:
金属イオンと有機モジュールの錯形成により合成されたエレクトロクロミック特性をもつポリマー材料。
調光ガラスの性能を決める鍵材料。
○総評:
・茨城県内から芸術性の兼ね備えた SDGs に繋がる製品が生み出されることが大変素晴らしい。
・車載の窓として実用化することで、飛散対策や環境適応性の両方を兼ね備えた製品になると考えられる。


○製品・サービス名:2層グラフェンTEMグリッド 
○企業・個人名:株式会社エアメンブレン
○概要:
クライオ TEM(顕微鏡)に適した独自開発合成により生産した革新的試料支持膜。
高強度、高清浄度、高電気伝導性、高熱伝導性を有している。
○総評:
・茨城県内には KEK クライオ電顕施設をはじめ、筑波大学、物質・材料研究機構、産業総合研究所等クライオ TEM の先端的な研究機関があり、創薬開発研究推進は茨城発の新たな産業振興につながり、それらに貢献することが期待できると考えられる。


○製品・サービス名:ウェアラブル嚥下計/摂食嚥下モニタリング解析サービス「GOKURI」 
○企業・個人名:PLIMES株式会社
○概要:
ウェアラブルデバイスにより、嚥下に関わる医療・福祉をデジタル化し、患者のマネジメントを支援する包括的なサービス。
○総評:
・高齢者の死因の大きな要因である嚥下障害に着目した点が素晴らしい。
・高齢化や茨城県内の医師不足の課題にも合致した製品であり、医療分野へのデジタル化の促進に期待する。

○第1回(令和2年度)いばらきイノベーションアワード受賞製品・サービス

<大賞>

○製品・サービス名:医療相談アプリ「リーバー」
○企業・個人名:株式会社リーバー
○概要:
自動チャットボット問診により、患者と医師双方に負担をかけない医療相談サービスを実現。月額350円で相談可能。
○総評:
・高齢化及びウィズコロナ社会に求められる新たな医療の形を既に実証している。
・医療相談という観点では、他社にも競合はたくさんいるが、地域の課題解決への貢献や先端技術の社会普及という観点で、学校教育等の体温測定等にピポットしている点が評価できる。
・アイデアは特別革新的という訳ではないが、システムを実現した点が大変素晴らしい!安価である点も魅力

<優秀賞>

○製品・サービス名:創薬合成技術HiSAP®による新薬候補化合物の提供
○企業・個人名:株式会社アークメディスン
○概要:
創薬合成技術HiSAP®は世界で特許を取得した様々な有機合成試薬とそれらの創薬応用ノウハウで構成され、薬剤として優れた特徴を有する新薬候補化合物を短期間で提供するサービス。(通常3年~5年かかる新薬候補化合物創出を約1年で実現する。)
○総評:
・特許技術を基に多大な先行投資が必要な分野で果敢にグローバルな創薬技術革新を目指している。ハイリスクハイリターンな製品であるが、応援したいと思う。
・ベースとなる技術は確立されていると考えられる。


○製品・サービス名:ドローンAIシステム「ハリスホーク」
○企業・個人名:株式会社ロックガレッジ
○概要:
リアルタイム映像をもとに、災害時等の捜索者の位置をAI(ディープラーニングに基づくAI技術による人影・人型の検出)によって検出し、その結果を関係者に即時共有する。
○総評:
・捜索の用途以外に、制度が整えばいろいろな用途が考えられる。
・AIがドローンの目を担う点は教科書的であるが、全自動化による負担軽減メリットは大きい。
 大量の自動ドローンを同時に飛ばすことで、探索可能性は無限大になる。無人飛行が可能という点を評価した。